つながる、伝える、学び合う。「ひらく~あづみの不登校を考える親の会」

公開日:2024年2月29日
interview-hiraku-thumnail

「ひらく~あづみの不登校を考える親の会~」は、安曇野市を拠点に、行き渋(しぶ)りや不登校、ひきこもりなどに悩む親たちや支援者らが集い、「つながる」「伝える」「学び合う」をテーマに活動しています。

自分たちの悩みから共同で立ち上げた「ひらく」

「ひらく」共同代表の片桐さんご夫妻

「ひらく」を立ち上げたのは、共同代表の片桐政勝さんと山本愛さん。

片桐さんの息子さんが高校生、山本さんの息子さんが小学1年生の時、「不登校を考える県民の集い」で偶然出会います。子どもの不登校で悩んでいた二人。「ほかの地域にはあるのに、この辺(安曇野)には身近に話せる場所がないよね」と意気投合。2020年、両夫婦2家族で、ひらくをスタートしました。

多様な参加者が集まる月1定例会

月1回の定例会には、塩尻市から白馬村まで、コンスタントに15人ほどが参加します。保護者だけでなく、不登校支援に携わる教育・医療関係者、教員、議員、元当事者など、顔ぶれはさまざまです。

「安心して自分の思いを吐き出せる場」として、悩みや情報を共有したり、異なる視点から気づきやヒントをもらったり。特に、元当事者のストレートな言葉や、苦悩を乗り越えてきた先輩たちの言葉は、悩みの渦中にいる親たちの心に響いているようです。

毎回新規の参加者がいるのも、会の特徴。苦しい胸の内を、涙ながらに話す母親も少なくありません。そんな中でも、苦労話を笑いに変えたり、笑顔になれる雰囲気が漂っています。

「ここなら安心できる」場所づくり

相談支援専門員の女性は「一緒に考えてくれる人の言葉って大きい。応援させてもらいたい」と寄り添います。初めて参加したという母親は「漠然とした不安をシェアできてありがたい」と明るい表情を見せました。

2023年には、中信地域で活動する団体と連携し、行き渋りや不登校の子どもと保護者向けに、学校以外の居場所を掲載した冊子「ここなら 中信地区居場所マップ」を作成しました。

ここなら 中信地区居場所マップ

さまざまな苦悩を経験してきた立場から、同じ思いをしている人たちに「ここなら」安心して紹介できる、と思える居場所の情報を提供しています。

「ここに来ると心の充電ができて、また子どもと向き合える」と話す片桐さんの息子さんは、成人になりました。「子どもの成長とともに、活動から離れる人が多いのでは?」と素朴な疑問を投げかけると、「仲間がいるから続けられる。ニーズがあるからやめられない」と笑います。

毎月休まず。寄り添い、積み重ねていく

「ひらく」共同代表者の1人、山本さん

今は聞き役に徹している山本さんは、「自分自身も相談に乗ってもらい、力になってもらえた。いろいろな人やいろいろな経験が積み重なって実績になっていることが、ひらくの強み」と語ります。「解決はしないけれど、変化はあると思う。笑って帰ってくれるだけで、やってよかったなと思う」と温かく見守ります。

原点は「大人も子どもも楽しめる場作り」。毎月休まずに会を続けてきました。「いつもやることが大事。続けてきたことが大事」と実感を込めます。

「不登校や引きこもりは、家族の問題だけでなく、社会の問題」、と二人とも声をそろえます。単なる愚痴や批判に終わらず、「じゃあどうする?」から次のステップへ。不登校経験者や支援者を招いた講演会を開いたり、行政への働きかけも精力的に行っています。

子どもの交流の場「たのしば」

 もう一つの活動の柱として、子どもの交流の場「たのしば」があります。「子どもにも楽しんでもらいたい」との思いで、工作や実験、運動などをスタッフと一緒に楽しみながら、定例会と併せて実施しています。学校に行っている子も行っていない子も分け隔てなく、ワクワクしながら遊べる環境が、保護者にも喜ばれています。

取材で訪れた日には、子どもも大人も空気砲づくりに夢中になって遊んでいました。

「ここなら聞いてもらえる」という大きな安心感が、多くの親たちが足を運ぶ理由になっているようです。

次のステージへと進んでいく子どもたちに寄り添いながら、親も子もホッとできる居場所づくりを、これからも目指していきます。

 

このインタビュー記事は、赤い羽根共同募金「令和5年度ポスト・コロナ社会に向けた福祉活動応援助成」により制作されました。

地域で探す

時間帯から探す

・不定期

・午前

・午後

・夜

対象年齢から探す

・中学生

・保護者

・全年齢

・大学生以上

・小学生

・新生児