自然の中で、自分らしく。池田町のフリースクール「わのもり」

フリースクール「わのもり」は、池田町の自然豊かな里山をフィールドに、異年齢の子どもや大人たちが関わり合いながら、のびのびと活動しています。
安曇野や大北地域を拠点にフリースクールや子どもカフェを運営していた母親たちが、学校に通っていない子どもたちの居場所を池田にもつくれたらと、2020 年に始めました。
自然を切り開いて作った調理場・遊び場

600 坪の森を切り開き、竹のジャングルジムや木のブランコ、かまどなどを手作りしました。子どもたちは、木や竹を使って遊び道具を作ったり、散歩に出かけたりと、自然の中で自由に、生き生きと活動しています。
お昼には、かまどを使った野外調理も欠かせません。ご飯とみそ汁をベースに、五平餅やピザ、野草の天ぷらなど、季節の食材を使って薪火で作る料理は、いつもご馳走です。
さらに、米作りやしょうゆ作りなど、季節の手仕事を通して、里山での豊かな暮らしを体験しています。その他、ダンスや劇、キャンプ、マルシェへの出店など、活動は多岐に渡ります。
みんなで支え合い、個性を尊重する関わり

敷地内でゲストハウスを経営する臼井朋子さんを中心に、母親やボランティアスタッフたちが運営に携わります。
学校に行っている子も行っていない子も、さまざまな子どもたちが、それぞれに合ったやり方で利用しています。子どもたちのやりたいことを尊重し、意見を聞きながら運営するのが、わのもりのやり方。異年齢の関わりの中で、面倒を見合ったり、助け合う姿も見られます。
2年間、2人の子どもと参加してきた母親は、「季節を感じる遊びや料理が魅力。子どもが主体で、やりたいことをやらせてもらえる。子どもたちの成長が見られる」と積極的に活動を支えます。
自然の中での暮らしで、本当の学びを得る

長年宿業を営み、子育てをしながら、持続可能な循環型の暮らしを実践してきた臼井さん。20 年以上前から野外の保育園や学童を運営し、大人向けの学びの場も数多く提供し続けてきました。わのもりは、その集合体ともいえる活動。
「自然とともにある暮らしの中で、本当の学びが生まれる。異年齢の関わりの中で、それぞれの役割ができ、人として生きる力を育むことができる。人と関わりながら、自分らしさを発揮できる場所。学校に馴染めない子や、学校にちょっと疲れた子、自然の中で自由に過ごしたい子たちが気楽に来れたら」といい、さまざまな世代が集えるコミュニティーづくりを目指しています。

団体情報
このインタビュー記事は、赤い羽根共同募金「令和5年度ポスト・コロナ社会に向けた福祉活動応援助成」により制作されました。
