長野で暮らすマイノリティのためのフリーペーパー「hanpo」

さまざまな生きづらさを経験し、複雑な思いを抱えている人たちに、半歩先を歩いている人たちの声を伝えるフリーペーパー「hanpo」。
”長野で暮らすマイノリティを生きる僕らのために、僕らが作るフリーペーパー”として2019年に発行しました。発起人の草深将雄さん(長野市)が、編集長を務めます。
自身の経験がきっかけとなったフリーペーパーづくり

草深さんは「不登校」という言葉すらなかった当時、教師主導によるいじめを発端に、小・中学校のうち6年間、不登校を経験。不安な気持ちを抱えたまま進学し、浮き沈みのある高校・大学時代を過ごしました。
所属先のなかった20代の頃、長野市で若者が開いていた対話の場に参加します。自分について話すことや対話をする大切さに気付き、仲間を募ってフリーペーパー発行団体「hanpo」を立ち上げました。
マイノリティと感じている人たちの自己表現の場
不登校や引きこもり、ヤングケアラー、LGBTQなど、社会的に理解されることが難しく、苦しみや不安を抱えて生きている人たちや、”マイノリティ”だと感じている人たちが、思いを自由に表現し、当事者目線で発信しています。
生きづらさを抱えつつも、「社会と接続できている。片足は暗闇の中だけど、片足は外に出ている」という意味を「hanpo」に込めました。
多様なテーマで、自分の言葉でつづる投稿者たち

イベントや不登校の親の会などで出会った人たちに呼び掛け、投稿者を募っています。これまでに、県内の10~40代までの約40人が投稿しました。顔も名前も不明な匿名での投稿や、イラストや写真だけの投稿もありです。
毎回、「ともだち」「大人へ」「違和感」「普通」など、さまざまなテーマを設定します。作文とも手紙とも詩とも小説ともいえるような文章は、どれも過去の自分や今の自分と向き合いながら、気持ちを整理するかのように、自分や他の誰かに問いかけるように、飾らない作者自身の言葉で綴られています。
当事者の気持ちを言語化するお手伝い
Xジェンダーを自認するゆずさん(安曇野市)は、孤立していてしんどかった頃に、「hanpo」と出会いました。「寂しいのは自分一人じゃない。自分と近しいマイノリティがいることが、可視化されているのがいい。共鳴し合っている」と魅力を感じ、読み手から書き手に転じました。現在は、編集部の一員として、HPやSNSで活動を発信しています。
草深さんは「置き去りにしていた気持ちや蓋をしていた気持ちを言語化して、書ききることがすごく大事。悔しかったことはそれぞれ違うけど、共有できることもある。顔は見えないけれど、つながりをもっていたい。もっといろいろな人に関わってもらって、いろいろなカラーやバリエーションが増えたら」と展望します。
「その人自身の言葉で話してほしい」という姿勢

編集作業で大事にしていることは、「その人の言葉の重さ」。「抱えている問題は(本人が)大したことではないと思って、助けを求められないことが苦しさだと思う。誰かと比べる必要はない。”あなたの言葉”で話してほしい」と、対話を通して相手の言葉を引き出しながら、紙面作りに取り組んでいます。
緩やかで長く続ける発行スタイル
5年間で12号までを発行しました。原稿が完成したら発行という緩やかなスタイルも、長続きの秘けつかもしれません。発行部数は約3000部。メンバーとつながりがあり、それぞれが安心だと思える県内の図書館や病院、カフェなどに置いています。
執筆も編集も手掛ける草深さん。学生の頃から、「マイノリティの声を社会や行政に届けたい」という思いを持ち続けてきました。「苦しかった過去の自分を救いたい」という思いが、活動の原動力になっていると言います。他のメンバーにも「自分や他の誰かを救ってあげてほしい」と願いながら、これからも言葉と向き合い続けます。
団体情報
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安曇野市困難を抱えるこどもたちの居場所支援、学習支援事業を受託しています。
お料理をしたり、買い物をしたりという生活の力をつけたり、希望するお子さんとは、一緒に勉強もしています。様々な専門知識をもつ方と連携し、安心して過ごせる場所を提供します。保護者の方のご相談にものります。お気軽にお問い合わせください。

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このインタビュー記事は、赤い羽根共同募金「令和5年度ポスト・コロナ社会に向けた福祉活動応援助成」により制作されました。
