大町市のフリースクール「アルピョンこどもの家」

フリースクール「アルピョンこどもの家」は、不登校の子どもをもつ保護者からの依頼を受け、療育に精通する川崎陽子さんが2020年に大町市美麻で開設しました。古民家と自然豊かな環境をフィールドに、野外活動や昔ながらの暮らしを体験できる場を提供してきました。

室内活動を中心に。定期イベントも

2023年に、大町市内の民家へ移転。野外活動やにぎやかな場所が苦手という子どもたちの声に応えて、室内で芸術活動ができる場へとシフトしました。

物作りや音遊びなどを行う「アトリエの日」、子どもたちがご飯やおやつを自由に作って食べる「こどもカフェの日」を定期的に開いています。自由遊びや自由制作、調理、季節の手仕事やイベントにむけての準備などを行っています。

地域と連携した幅広い活動

オープンデイとして、同施設を利用する保育室と共同で、子育て支援のフリーマーケットやお祭りなどのイベントも開いています。子どもたちによる飲食や作品の販売、歌やお話の発表など、にぎやかでアットホームな雰囲気です。乳幼児連れの保護者から、小中学生、地域の大人まで、幅広い世代が参加し、交流を深めています。

市の中間教室で行われるイベントへの参加や、福祉施設と連携した食育活動など、地域との交流にも積極的に取り組んでいます。

アットホームでのびのびと

通常の利用者は、小学生を中心に５人ほど。美麻時代から利用している塩尻市の中学生の母親は「アットホームな感じがいい。伸びたいように伸ばしてくれる。”行きたい”と思える場所に出会えてありがたい」と話します。

川崎さんは佐賀県出身。中学校の音楽教諭として勤める傍ら、学校教育の在り方に疑問を感じていました。発達障がいを持つ子など、必要としている子どもたちにより関わりたいと、興味のあった音楽療法を学び、シュタイナー幼稚園やシュタイナー療育センターで経験を積んできました。

自然体で子どもたちと過ごす

子どもからも保護者からも厚い信頼を得ている川崎さん。「子どもたちを信じている。対等な人間関係。いい悪いを判断しない」と真っすぐに語るその姿には、強い芯を感じます。同時に、「とにかく私自身が楽しんでいます」といつも自然体で子どもたちと接する姿は、とてもチャーミングです。

地域に根ざし、多世代で交流できる場づくりを、これからも目指していきます。