安曇野市穂高に拠点をおく「訪問看護ステーション わらわ」

訪問看護とは、看護師やリハビリテーションの専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が主治医の指示を受けて利用者の住居に訪問し、病気や障がいに応じた看護やリハビリを行うサービス。年齢、病気や障がいの程度に関わらず、主治医に必要と判断されたすべての人が対象です。
「わらわ、のち、えがお」をスローガンに、「利用者やご家族、わらわに関わる全ての方が笑って、楽しく、和やかな在宅生活を送れますように」という願いを込めて、2015年に始まりました。
訪問看護の強みを生かした支援を

さらに地域に先駆け、子ども支援サービスとしての小児訪問リハビリ事業を2024年にスタートします。医療的ケアが必要な子どもだけでなく、神経発達症(自閉症スペクトラム症、注意欠如多動症など)でコミュニケーションや生活面に困り感を抱えている子どもたちも対象になります。
家庭環境を整えたい人や、通院・通学・通所が困難な人、保護者・ご家族の疲弊が強い人への利用を勧めています。
支援の3本柱
支援の3本柱として、神経発達症に関連した発達支援、不登校に関連した二次障がいの予防・社会参加支援、家族支援を掲げます。
ある場面でできたことが別の場面になるとできない状況依存性が高い神経発達症の特性を踏まえた上で、生活環境を整えることや段階的な環境調整が、訪問看護の強みであり、また、「オープンダイアローグ」の手法を用いた対話的家族支援にも力を入れています。
地域とつながりながら、丁寧な関わりを

子ども支援サービスには、松本や安曇野を中心に、幼児から20代までの十数人が利用しています(2026年2月時点)。利用頻度は月1回から週3回と、個々に応じてさまざまです。20人ほどの専門職が在籍し、訪問は基本2人以上のチームで行っています。
作業療法士の高野大貴さんは「アドバイスのつもりが攻撃になっているかもしれない。バランスが難しい」と試行錯誤をする中で、家族抜きでは成しえない家族支援の重要性と、関係性の土台作りの大切さを実感しています。
同時に、「地域の人とつながりを作っていくことで、その子の選択肢が広がっていくのでは」と地域に目を向けます。福祉や医療、教育の垣根を超え、横との連携も取りながらスピード感をもった対応が可能で、個々のライフステージの変化に伴い途切れがちな支援の”つなぎ役”を担えるのが、訪問看護の「強み」といいます。
個別支援同士を連携し、地域を支える

『「点」(個別支援)と「点」を「線」(連携)に、「線」と「線」を「面」(地域)に』を合言葉に活動しています。
「子どもだけじゃなく親御さんも表情が変わっていくのがうれしい。(子どもが)どんどん成長していく姿を目の当たりにすることに、やりがいを感じる」と穏やかに語ります。
神経発達症児支援の受け入れ体制の限界や診断後の支援につながりにくい地域性があるとも指摘します。神経発達症児への在宅リハビリ支援は、国内でもほとんど類がないそうです。
「『関わっている方を丁寧に、社会につなぐまで』がコンセプト。地域の中で困っている方はたくさんいると思う。必要としている方々に届けたい」と、今日も仲間とともに必要としている誰かのために奔走しています。
このインタビュー記事は、赤い羽根共同募金「令和5年度ポスト・コロナ社会に向けた福祉活動応援助成」により制作されました。